Home > INTERVIEW > お互いにタイプは違うけど、その凹凸さが良いのかもしれない 963インタビュー【前編】

お互いにタイプは違うけど、その凹凸さが良いのかもしれない 963インタビュー【前編】

お互いに話を聞かないタイプだけど会話は成り立つ

繊細かつリリカルなトラックと、清らかであるがゆえに刹那的でもあるラップで、唯一無二の音世界を作り出す963(くるみ)。福岡県久留米市のくーみんテレビの番組内企画から生まれたご当地アイドルで、幾度かのメンバーチェンジを経て、201841日から現在のぴーぴる(左)、れーゆる(右)の高校生2人組となった。

インタビュー前編では、現在の二人体制になるまでの道のりや、高校生活について語ってもらった。

――初代9632013年結成で201412月に活動終了。2015731日に2代目963として、ぴーぴるさんとやーぷん(現在は「せるふちゃいなしすてむ」名義でソロ活動)さんの二人組ユニットとして再デビューします。まずは、ぴーぴるさんからアイドルになったきっかけを教えてもらえますか。

ぴーぴる 博多駅の百貨店で、500円でヘアメイクをしてプロのカメラマンさんが撮ってくれるみたいなイベントがあって。そこで撮ってもらったら、カメラマンさんに「事務所の知り合いがいるから」と言われて。それで紹介してもらったのが今も所属しているラフェイスでした。

――もともとアイドルに興味はあったんですか。

ぴーぴる 少しはあったんですけど、特定の誰かに憧れるとかはないんですよね。特に何をやりたいってなかったんですけど、とりあえず芸能界に入ってみたいなって気持ちで事務所に入りました。

――963加入前に違うユニットにいたんですよね。

ぴーぴる 369(みるく)ってアイドルグループをやってました。4人組で963の妹分グループだったんですけど、メンバー全員で963のオーディションを受けて、終わった後に解散して。落ちた人たちが合わさって新たに「ラフチック」ってグループを結成して、そのグループも一時期、私は兼任していました。

――れーゆるさんは20171230日に963に加入しますが、もともと芸能界に興味はあったんですか?

れーゆる 今のマネージャーさんに羽田空港でスカウトされたんですけど、それまでは全く興味がなかったです。アイドルなんてもってのほかで。

――どうしてやろうと思ったんですか?

れーゆる お母さんと話して、「やってみれば」と言われたのが始めたきっかけです。

ぴーぴる 結局は目立ちたがりなんだよ。

れーゆる そうそう。でも、あなたもでしょ?

ぴーぴる そうだよ。

――アイドルのライブに行った経験もなく?

れーゆる ないですね。アイドルだからフリフリの衣装を着るのかなと思っていて、それが嫌だったんですよ。でも963は制服だから、これならいいかなと思ってなんとなく始めました。

――ぴーぴるさんは今の体制になるまで、メンバーが変わったり、ソロになったりと紆余曲折がありましたけど、どういう気持ちで活動を続けていたんですか。

ぴーぴる やーぷんが辞めた時は、「え? マジか……」って思いました。すぐにメンバーを探すのかなと思っていたら、しばらく一人で活動して苦労もあって。その後、ねーぷんという子が加入して、同級生だし、話も合うし、スキルも高いし、「いい子が来た!」って思ったんですけど、すぐに辞めちゃって。

――そこで心は折れなかったんですか?

ぴーぴる 自分が良ければ全て良しみたいなところがあって、ライブ自体は楽しかったし、そのぐらいから加入するにしても誰でもいいかなって思ってました(笑)。

――その発言は、れーゆるさんに失礼ですけど(笑)。

れーゆる 今さらなんで大丈夫です(笑)。

――ユニットとして不安定な時期に、ファンは離れていかなかったんですか。

ぴーぴる やっぱり離れていきましたよ。やーぷんが辞めて、ガクンと減って、ねーぷんが加入して上がりかけたけど、また辞めて下がってと、波ばかりです。でも今はれーゆるが加入して上がってきているんですよ。

れーゆる 確かに私が入ったばかりの頃よりもお客さんが多くなった。

――れーゆるさんは加入前に963のライブは見学したんですか?

れーゆる 全く見てないですね。とりあえず振りを覚えて、ぴーぴると合わせて、そのままお披露目です。

――ライブを一度も見ないままお披露目というのも珍しいですね。

ぴーぴる 舞台度胸があるから、初お披露目から落ち着いていましたよ。

れーゆる やる時はやるから!

ぴーぴる その前にいた子たちは、MCで話を振っても、「え……う……」っておどおどして緊張していたんですけど、れーゆるは動じることもなかったから「こんな感じなのか」って思いました。

れーゆる まあ、楽勝でしたね(笑)。

ぴーぴる バレエをやってたから、ステージには慣れていたんだよね。

れーゆる バレエもやってたし、陸上もやってたんです。競技場のほうがヤバいですからね。横浜スタジアムで競技に参加したことがあるんですけど、人がいっぱいいるじゃないですか。その前で競技するほうが全然緊張しましたね。それに比べたらライブは……。

――朝飯前だと。

れーゆる 本当それです!

――陸上はどれぐらいやっていたんですか?

れーゆる 半年……。

――それで横浜スタジアムに出られたんですか!

れーゆる 体育祭で走り高跳びをやったら、すごく成績が良かったから、先生に「大会に出てみない?」って勧められたんですよ。それで中2の時に市総大に出たら1位で、県大会に行ったんですけど、それ以上は無理でした。

――十分、好成績じゃないですか! 走り高跳びの才能に恵まれていたのに、どうして半年で辞めたんですか?

れーゆる 陸上を始めたのが中2と遅かったんですよ。それに中3は卓球の県大会があって、市総大に出られなかったんです。

――いろいろやっているんですね。

れーゆる 卓球は中学の3年間やってたんです。

ぴーぴる 963のイベントで卓球大会をやってるんですけど本当に上手くて、ファンの方と対戦して勝ってました。963のボスですね。

――運動神経がいいんですね。ぴーぴるさんは運動経験はあるんですか?

ぴーぴる 小学生の時に水泳と空手をやってました。

れーゆる 私も水泳はやってた!

――空手は珍しいですね

ぴーぴる うちは転勤族だったんですけど、沖縄に住んでいた時に、琉球空手を習っていました。

――それは渋い!

ぴーぴる ただ1年半しか沖縄にいなかったので、その間しかやってません。沖縄に住んでいた頃は、ほかにも絵画教室、茶道教室に通って、フラダンスもやっていたんですよ。

れーゆる ハハハハハ。

――節操ないですね(笑)。

ぴーぴる どの教室も月謝が1時間500円ぐらいで安かったから、いろいろやってみたんです。次に転校した先では、そろばんと習字を習っていました。

――幅広く習い事をしていたんですね。

ぴーぴる ただ小6で今の事務所に入ったので、運動部の経験はないんです。なので、いつでもさぼれる放送部と軽音楽部に入っていました。

――れーゆるさんはバレエをどれぐらいやっていたんですか?

れーゆる 9年間です。3歳から小6までやってました。

ぴーぴる 実際、体柔らかいよね。あとK-POPが好きだから、動画を見ながら振りを覚えるのが得意みたいで。

――K-POPの振りコピをやってたんですか?

れーゆる そうなんです。

ぴーぴる それまで963のダンスは、先生が長野在住だったから通信教育だったんです。それが私は苦手で、直接教えてもらったほうが早いんですよ。だから今は、れーゆるが教えてくれるから助かってます。

れーゆる 私が覚えて、ぴーぴるに教えてます。

――先輩後輩関係が逆転しているじゃないですか(笑)。

――お互いの他己紹介をするとしたら、どういう相方ですか?

ぴーぴる 大人っぽいけど子供っぽい。

――見た目が大人っぽいのはその通りですが、子供っぽいのは性格ですか?

ぴーぴる 身体的な反応。いつも手が汗ばんでるんですよ。それが子供チックなんです。

――大人でも手汗がすごい人は珍しくないですけどね(笑)。

ぴーぴる うちのお母さんは手がサラサラなので、大人の女性はそうなのかなって思うんです。でも、れーゆるの手汗は、私の妹の手と同じなんですよ。そういうところが可愛いなと思います。あと普段は落ち着いていますけど、K-POPとか好きな話題になると、すごくテンションが上がります。

――れーゆるさんから見て、ぴーぴるさんはどんな相方ですか?

れーゆる とりあえず、よく喋ります。あと可愛い……調子に乗っちゃうので、あんま言いたくないんですけどね。

ぴーぴる もっと言ってよ!

――それは外見も内面も可愛いってことですか?

れーゆる 見た目はそうでも……。

ぴーぴる おい!

れーゆる いや、可愛いよ。あと面倒くさがりやでケチ。

ぴーぴる なんでも無料が好きだからね。

れーゆる 一緒に遊びに行くと、試食や試飲を見つけるたびに、もらいに行くんです。

――デパ地下なんて行ったら大変じゃないですか。

ぴーぴる もう大好きです! 試食でお腹を満たそうって考えてますからね。学校帰りに用もないのにスーパーに行ってフルーツなんかを試食するし、コストコも大好き!

れーゆる 試食したらお店の人に買うって思われるから、なるだけ私はしたくない。

ぴーぴる お母さんも試食が好きだから遺伝ですね(笑)。

――学校でもキャラクターは一緒なんですか?

ぴーぴる ずっと、こんな感じかな。いつもテンション高く喋ってます。学校ではおバカキャラですね。

れーゆる 私は学校では静かなほうです。授業も静かに受けたいし、周りが騒がしいと心の中で「うるさいな~」って思ってます。ただ去年の体育祭で、ほぼ全種目に出て目立っちゃいました(笑)。

――れーゆるさんの運動神経の良さを周りも放っておかないと。963の活動のことはクラスメイトも知っているんですか?

ぴーぴる 私は全員知ってます。今の学校に入る時に、「あの子、アイドルやってるらしいよ」って変な目で見られるのも面倒なので自分から言いました。

れーゆる 私は自分から言ってないですけど、普通に知られてます。

――クラスメイトから「ラップやってよ」とか言われません。

れーゆる 言われないですね。

ぴーぴる 私は言われる。

れーゆる そうなの?

ぴーぴる 先生のモノマネとかをよくするから、そのノリで「歌ってよ」とか言われる。

――二人は一緒に活動を始めて、すぐに仲良くなれたんですか?

れーゆる 早かったよね?

ぴーぴる まあ私は誰とでも仲良くなれるから(笑)。れーゆるに合わせてるの。

れーゆる 浅く仲良くなれるだけでしょう(笑)。

ぴーぴる まあね。お互いにタイプは違うけど、その凹凸さが良いのかもね。

れーゆる 確かに、それぞれを補えるからね。

ぴーぴる あんまお互いに話を聞かないタイプだけど、ちゃんと会話は成り立つしね。

れーゆる すごく分かる! 頑張って話さなくてもいいから楽。

後編では、昨年リリースの1stアルバム『963』の聴きどころや、ライブのこだわりを大いに語ります!

(取材・文=猪口貴裕 写真=西邑泰和)

公式サイト

https://9x6x3.com/

(商品情報)

963963

発売日:2018811

品番:LHFC-004

フォーマット:CD

レーベル:LAUGHFACE INC.

収録曲:

M1. BEEF OR CHIKEN

M2. すけるとんがーる 

M3. ろすとぷらねっと

M4. 夢?幻?ドロップス

M5. ストロー

M6. 今、キミとなないろ

M7. NEW

M8. ターニングポイント

M9. イノセントワールド

猪口 貴裕

北海道出身。出版社勤務を経てフリーライターに。エンタメ系を中心に様々な媒体で節操なく寄稿。アイドル誌やゲーム誌の編集にも携わる。「LADY SOUL」主宰。