Home > INTERVIEW > 関西に帰ればよかったと思う日もあった HALLCAインタビュー

関西に帰ればよかったと思う日もあった HALLCAインタビュー

グループ時代は環境に甘えていた

 2017326日にEspecia解散後、しばしの沈黙を経て、20186月よりソロアーティストとして再始動したHALLCA。ライブではインストにシンセを重ねるスタイルで、透明感あふれる伸びやかな歌声を響かせ、心地良い音世界を構築している。

 現在は自身で作詞・作曲も行い、Especiaに曲提供していたPellyColoRillsoulとの共同作業でアーバンなサウンドを生み出し、コンスタントに配信リリースも行っている。

 Especia解散からソロ活動までの軌跡、曲作りのきっかけや自作曲の聴きどころなどを語ってもらった。

――Especiaを解散して2年近く経ちますが、そもそも解散するときに進路は決まっていたんですか。

HALLCA 何も決まっていない状態で解散までは突き進んだ感じです。

――上京したのは2016229日にEspecia結成当時からのメンバーが3名卒業した頃ですか?

HALLCA そうです。それまで関西から通いだったんですけど、私と一緒にグループに残った(森)絵莉加と上京した後、ミア(・ナシメント)が新メンバーとして途中で加入しました。その時は絵莉加と「ブラジル人!?」って衝撃を受けたんですけど(笑)。

――オリジナルメンバーが2人になってネガティブな気持ちはなかったんですか。

HALLCA もちろん寂しい気持ちはありましたけど、突っ走る気持ちが強かったです。

――楽曲もアイドル時代のイメージを払拭するように本格的なアーティスト路線でしたよね。

HALLCA ですね。英語詞になったり。その方向性で続けていけば、新たな道もあったのかもしれません。

――第2章の活動期間は。

HALLCA 9か月間……めちゃめちゃ短いんですよ。

――解散後事務所の所属は?

HALLCA 326日で解散して、3月末で契約終了しました。そこからフリーになったんですけど、本当に何も決まっていなくて、舞台やアシスタントMCなど、お誘いいただいた単発のお仕事をしてました。その時に事務所のオーディションなどを受ければよかったなって思いますけど。

――急にフリーで活動を始めても、どうしていいか分からないですよね。

HALLCA そうなんですよ。事務所に所属していると、自分で何もしなくても仕事をもらえていたので、その環境に甘えていたんです。何も見えない状態で、活動を再開したんですけど、その間のブランクが1年半ぐらいあって。もう長すぎて、関西に帰ればよかったって思う日もありました。でも、まだ頑張りたい気持ちもあったし、ちょこちょこ違う人たちと音楽をやろうって話も出ていて。実はソロを始めるまでに、ダメになった話もあったんです。

――それはグループで?

HALLCA ソロですね。1回、大阪の事務所に所属したんですけど、ダメになっちゃいました。

――家族から帰ってこいと言われなかったですか?

HALLCA それはなかったです。いつも家族は自由にやらせてくれるんですよね。私が1度決心したことは曲げない性格なのを分かっているからだと思うんですけど、上京するときも、いきなり「Especia東京進出するから!」みたいな感じでしたからね。だから家族は私のわがままというか、そういう行動には慣れていると思います。でも応援はしてくれています。

――ソロとして音楽活動を再始動して、ライブのブッキングはどうしていたんですか。

HALLCA 始めたばかりの頃はボイトレの先生とかに、ブッキングの方などを紹介してもらったり、周りの人に助けられてました。あとは良くしていただいてる箱の方から誘ってもらったり。ありがたいです。

――ライブのファン層はいかがでしたか?

HALLCA まだEspecia時代から見ていましたという方がほとんどです。それもすごくありがたいですが、少しでも新しい方々に見てもらえるよう、今開催しているゲストをお呼びする自主企画ライブを継続したり、動画配信を行ったりして増やせればと思っています。

音の響きなどを考えながら自分の気持ちを綴る

――曲作りを始めたきっかけは何だったんですか。

HALLCA ソロになってから大阪の事務所に所属していたときに、スタッフさんから「どんどん曲を作って」と言われていたので作るようになりました。

――それまで曲作りの経験は?

HALLCA なかったです。曲作りといっても本格的なものではなく、頭に浮かんだメロディーと歌詞を録音する程度なんですけどね。もっとコード進行とかを勉強するべきなのかもしれないんですけど、そこはプロの方にお任せしたほうが、歌やシンセにも時間を注げるかなと思うんです。

――ピアノを習っていたのはいつ頃ですか?

HALLCA クラシックピアノは4歳から中学生まで習っていたんですけど、久しぶりに弾いたら難しくて。最初のライブは鍵盤を間違えまくって、かなり出来が酷かったです。演奏に集中しているから、歌もめっちゃ下手になって。どちらも半分以下の実力みたいな(笑)。

――かなり厳しい状況で、よくモチベーションが落ちなかったですね。

HALLCA 落ちることも全然ありますけど、いつも戻ってきますね。Especia時代もEspeciaしかなかったから、今の活動にも繋がっていったと思います。他に好きなことがあれば、そっちをやっていたかもしれない。

――曲作りは共同作業なんですよね。

HALLCA トラックはEspecia時代からお世話になっているPellyColoさんとRillsoulさんに作ってもらっています。1st EPの『Aperitif e.p』は、4曲中3曲がPellyColoさんの曲で、「guilty pleasure」だけRillsoulさんに書いてもらいました。PellyColoさんには「こういう曲にしたい」というのを投げましたけど、Rillsoulさんには自由に書いてもらいました。

――もともと作詞には興味があったんですか。

HALLCA あまりなかったです。Especia時代、「West Philly」という曲で私の書いた歌詞が採用されましたけど、あれはメンバー全員が書いた中で選ばれたもので。それ以外は書いたことがなくて、今も音の響きなどを考えながら自分の気持ちを書いているだけなんですけど、それをPellyColoさんが直してくれます。

――1曲ずつ『Aperitif e.p』の収録曲について解説をお願いします。1曲目は「Diamond」。

HALLCA 「誰もがダイヤモンドの原石みたいなものを持っている。誰だって輝ける」みたいなテーマで、それを届けたいのと自分にも言い聞かせたいという気持ちで書いた曲です。

――2曲目の「Dreamer」。

HALLCA 活動を再開するまでの本当は歌いたい、ステージに戻りたいっていうリアルな気持ちを書いています。自分に問いかけているような曲です。

――3曲目の「guilty pleasure」。

HALLCA  Rillsoulさんの曲はブラックでダークなイメージが強いので、それに合わせて歌詞を書きました。「夜中に食べるケーキ」みたいな、曲名通り“罪悪感”をイメージしています。

――4曲目の「MilkyWay」。

HALLCA “七夕”をテーマにした曲で、織姫と彦星を、私とファンの皆の関係性になぞらえました。

――今年3月からは毎月配信リリースを行っていますが、その曲についてもリリース順にお話を聞かせてください。まずは「WANNA DANCE !」。

HALLCA 『Aperitif e.p』がミドルテンポが多かったので、ライブでどんどん踊れるようにと作ったダンスチューンです。この曲から作り方を変えていて、私がメロと歌詞を書いて、PellyColoさんにアレンジしてもらってます。軽快なディスコポップで私自身がライブでもパワーをもらえる曲です。

――続いて「モイスチャーミルク」。

HALLCA “モイスチャーミルク”という響きがめちゃめちゃ可愛いなと寒い日に思って、潤う曲を作ろう!と思ってワード先行でできた曲です。歌詞は日常から生まれることも多くて、いつもアンテナを張るようになりました。この曲もアレンジはPellyColoさんです。

――次は「burning in blue」。

HALLCA この曲はRillsoulさんが作曲なんですけど、もともとあった曲に、もう少し感情の先を表現したくてDメロを入れました。過去のことを思い出してるような歌詞に、サウンド的には未来感もあって、Rillsoulさん曰くフューチャーファンクな曲です。レコーディングもいつもと違っていて、フェイクやコーラスワークを決めずに、その場のノリで作っていきました。

――どういう意図で、その試みを行ったのでしょうか。

HALLCA これまではコーラスもある程度決めたものを録ってたんですけど、その時の感情をそのまま乗せてみたくて挑戦しました。Especiaの曲もレコーディングしていたRillsoulさんのスタジオで録ったんですけど、過去のことを思い出す内容の歌詞なので、自然と気持ちが乗っていって、そのときの感情の高ぶりを詰められたかなと思います。

――最新曲の「Show the Night」は浮遊感がありながらも、メリハリの効いた展開が印象的です。

HALLCA 「Show the Night」を作りかけていた頃、Spotifyhouseのプレイリストをよく聞いていて、自然とメロディがぽんぽんと浮かんできて。その曲にメロを録音してこんな感じで作ってほしいと伝えてアレンジしてもらいました。私の曲の中で特にお気に入りで、色んなしょうがないことって日々あるけど、それがPellyColoサウンドに浄化されていく感じがとっても好きで。単純に私はPellyColoさんとRillsoulさんの作る音楽のファンなので、ソロになって共同作業できることがとっても嬉しいです。グループ時代よりいろいろ意見を伝えられるようになって、より自分らしさを出せるようになったし、すごくやりがいがありますね。自分の納得できる曲を出せるのは幸せなことだし、これから先も続けて行きたいです。早くアルバムも出したい!

(取材・文=猪口貴裕 写真=長澤紘斗)

公式サイト

https://www.hallca.me/

(配信情報)

622日(土)

配信限定シングル「Utopia」

Apple Music/Spotify他にて配信開始

(ライブ情報)

811日(日)

HALLCA presents “Tipsy Bar” Vol.5

場所:EBISU BATICA

猪口 貴裕

北海道出身。出版社勤務を経てフリーライターに。エンタメ系を中心に様々な媒体で節操なく寄稿。アイドル誌やゲーム誌の編集にも携わる。「LADY SOUL」主宰。